地球上で最も黒い物質とは?
黒色っといっても、グレーっぽい黒から真っ黒まで色々ありますよね。
今回は、この地球上で最も黒いとされている物質についてご紹介します。
ベンタブラックとは?
最も黒いとされている物質は、「ベンタブラック」という塗料です。
では、どれほど黒いのかというと、その塗料を塗ったものは「立体感が無くなる程黒くなる」といわれています。
どういう事かと言うと、もともと立体感がある物質に、ベンタブラックを塗ると物質の凹凸が完全に分からなくなり、平面状に見えてしまうという事です。
上の写真は、リンゴの半分にベンタブラックを塗ったものですが、写真に収めると、まるでCGのように錯覚してしまうレベルです。
ベンタブラック、2012年にサリーナノシステムといる企業により開発されました。
真っ黒とはどういう状態なのか
真っ黒とはどういう事かというと、「全ての光を吸収してしまう」という事です。
ベンタブラックは、限りなく全ての光を吸収してしまう塗料なので、「真っ黒な穴が開いているように見える」と表現されます。
一般的な黒の光の吸収率は97%程だと言われています。つまり3%の光は反射されるので、それによって物質の凹凸が表現されます。
一方で、ベンタブラックの光の吸収率は99.96%です。つまり0.035%しか反射しないのです。
ベンタブラックの構造について
ベンタタブラックは、カーボンナノチューブという炭素が円柱のように食い合わさった物質により作られています。
1本のカーボンナノチューブは、髪の毛の10000分の1よりも細いため、その中に光ですら入っていく事はできません。
ベンタブラックは、このカーボンナノチューブが間隔をあけて真っすぐ立っているような構造になっています。これは「チューブの森」と呼ばれていて、入ってきた光は内部で何度も反射されほとんど吸収されてしまいます。
ベンタ=VENTA=Vertically Aligned NanoTube Arrays=垂直に並べられたチューブの配列
このような真っ黒な塗料は、「望遠鏡の迷光防止」「赤外線カメラの性能向上」等の様々な応用方法があります。
ベンタブラックを使用する事は一般には難しいですが、世界一真っ黒な水性塗料は販売されているます。「黒色無双」という商品です。
また、世界で最も黒いBMW、世界で最も黒い腕時計などが発売されています。
ご興味のある方は是非どうぞ!
コメント